小室直樹著国民のための経済原論を読んだよ。
1993年に発刊された本書はサムエルソンの経済学を基に市井の人にわかるようにバブル後の不景気を解説している。
この本を読んで注目したのは日本は「アノミー」に苛まれたってこと。八〇年代に日本中で取り上げられたのは家庭内暴力、そして(学)校内暴力。それは日本社会が「アノミー」になったから。「アノミー」って何かというとそれはつまり「無連帯」。なーんていうとちょっと分かりづらいけど、他の人との関係性をそこはかとなく決めてくれてた世界観がなくなっちゃったってことだと思う。
どうしてその頃アノミーになっちゃったかというと、左翼運動の著しい退潮と共通一次試験の定着と巨大宗教の堕落なんだって。当時をよく知らないから新聞縮小版を図書館で読まないと今一つわからない。
戦争前・中の日本の基軸は頂点に天皇共同体、底辺に農村共同体によって構成されていた。そののち戦争が終わり天皇の人間宣言がこの天皇共同体を破壊した。農村共同体の方はどうかというとそれは高度経済成長で農村部より市街に出てきて賃金労働者となる人々の増加でなくなっちゃった。共同体(ゲマインデ)の解体は何を齎すか、それは巨大なアノミーである。急性(アキュート)アノミー、これは大変、いや大変なんて言葉一つで表せるようなもんじゃない、とんでもない大異変。で、このアノミーがどうやって収束されたかというと、それが企業のような機能集団に収束されたのだ。だから日本企業は機能集団でもあり共同体でもあるという独特な現象が起きた。
じゃあ不況で日本企業の資金繰りが困難になっちゃったらどうなるの?90年代くらいから大規模リストラクション(所謂リストラ)が起きたってことは、またアノミーになっちゃったってわけか。あの頃は急激に自殺率が増えて、カルト教団が大規模テロを起こして世紀末に恐怖の大魔王が降りてきて(くる騒ぎがあって)・・・まァとんでもない時代だったナ。
でそのアノミーはどうやって収束したのかな?これは経験を思い起こして考えたい。00年代はどうだったか10年代は・・・まあ碌な事がなかった(笑)
そしてこの本二冊組になっていてまだ一冊目しか読んでない。(一冊目も読み込むほど読んでない)(あんまりやる気が出ないのよね)ので二冊目も読んでみましょ。二冊目は国際貿易関係のこと、アアなんとなく何かいてあるか予想はついたけどまあ読んでから意見を言わせてもらいましょ。そんなこんなでホームページに載せられそうなものいくつか書いて充実させないと。
令和五年三月十六日
アノミーを提唱したデュルケーム
天才・小室直樹